ラビは顔を赤らめ、机に身を預けていた。
身体が火照っているのがわかる。クーラーの風を直接浴びたい位だ。
なんでが自分を見つめていたのか…
見つめられたら気になって仕事に集中できないし、何より好きな子に見られるのは恥ずかしい。
「ラビ…いつまでそうしてるつもり?」
リナリーにそう言われるが全く起きたくはない。
というか無理、まだ無理。
なにも反応しないラビを見て、リナリーははぁ…と溜息をついて再び口を開いた。
「ラビ……のこと好きなのはわかるけど、ちょっとよそよそしいんじゃない?
あれじゃが傷ついちゃうわよ?嫌われるわよ?」
「リナリー……好きな子に見つめられたら平常心じゃいられないさ〜…」
そう答えて数秒後、おかしなことに気づく。
ん?今、のこと好きなのはわかるけどって言わなかった?
あれ?あれ?あれ!?
「ちょ!今、あれ!?リナリー!?ちょっ!!!?」
いきなり起きたかと思えば顔を真っ赤にしてきょどきょどするラビ。
「やっぱり気づいてなかったのね…ラビを見ていれば、誰でもわかるわよ。
気づいていないのは本人とその相手くらいじゃないの?」
開いた口が閉じないとはこのことを言うのか!!!
両手で頬を押さえ、恥ずかしさと戦う。
そんな…バレバレだったなんて……っ!
「あとね、ラビ…がっかりさせたくはないんだけど……
には好きな人いるの、知ってる?」
リナリーの言葉に冷静さが戻ってくる。
の好きな人。
それは……
「ぁあ…それは知ってる。いいんさ、それで。」
が“あの子”だというのはわかっている。
でも、は俺が“あの男の子”だとは気付いていない。
このことは、誰にも話したくない。
「知ってたのね…もし、約束の男の子が現れたら、その子に取られちゃうわよ?
ううん、それだけじゃない。
早くしないと、他の子に取られちゃうかも。
ってば最近すごく告白されてるんだから。」
夏休みに入る前、の様子が気になって着いて行った告白現場だけではなく、他にも告白されていたのは知らなかった…
けど……
「大丈夫。俺、そんなんじゃ諦めないさ。
言えるときがきたら、に告白するんさ。
その時にもし、彼氏ができてたとしても…俺は諦めない。」
を想う気持ちは誰にも負けない。
まだ出会って3ヵ月の奴らと、10年想い続けてきた俺のこの気持ち、負けてたまるか。
ラビの目はまっすぐで迷いの無い、強い意志を感じさせた。
「そっか。うん、がんばれ!」
ラビが約束の男の子だったら素敵なのに、そう思うリナリーなのであった。
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2013.5.1
ラビさんかわいいっ!← Maya