転入してからの初めてのテストまであと一週間。
全ての授業時間をテスト勉強の時間にして欲しいと思う今日この頃。
(なんでテスト終わってないのに次の単元に進むかな〜……
せっかく覚えたところ忘れちゃうじゃん!)
せっかく勉強しても授業が進んでは忘れてしまう。テストが気になって授業も集中できない。
(まぁ……英語は教科書見ておけばいけそうだけど。
問題は日本史と政治経済!10年日本にいなかったからわかるはずもないわけだ……)
がそう思った途端チャイムがなり、授業が終わった。
号令が終わった瞬間、売店へダッシュで行く者がいたり、友人のところへお弁当箱を持って行く者などで、教室はいきなり騒がしくなった。
『あ、
!話があるから昼休み中に職員室まで来てくれ!』
リナリー達とご飯を食べようとしようとしていたとき、いきなり名前を呼ばれ、驚く。
「あ、はい!わかりました!」
そう教師に返事をし、席についてお弁当箱を開く。
「あら、何かしらね……、何かしたの?」
リナリーがいたずらっぽい笑みを浮かべながらそう言った。
「え、何もしてないよ!?……本当になんだろう……」
考え事をしながら玉子焼きを一口食べる。
「とりあえず食べたら行かなきゃですね。」
机にパンを山積みにしたアレンがおいしそうにパンを食べながらそう言った。
「うん……そうだよね!」
考えていても仕方ない。
そう思い、
はいつもより食べるスピードを早くする。
「、そんな早く食べなくても……」
リナリーが心配そうに言うが
の食べるスピードは変わらない。
「よし、ごちそうさまっ!」
いつもより何倍も早くお弁当を食べたはお弁当箱を片付け
「じゃ、先生のとこ行ってくるね?」
そういつものメンバーに言い残し、職員室へ向かった。
職員室へ向かう途中、見覚えのある背中を見つけた。
(ラビだよね?あれ、ご飯食べたとき……そういえば居なかったかも?)
実は、号令が終わったとき、生徒会の用事のためにラビは教室を出て行っていた。
「ラビー!」
がそう呼ぶと、ラビは「ん?」というような表情をしながら振り向き、止まった。
だと気づくと手を振り、ラビはを待っていた。
「あれ、じゃん。昼飯は食べたんさ?」
「うん!先生に呼ばれたから早く食べた!」
ニコニコしながら話す。
「ってことはも職員室行くんさ?」
「も、ってことはラビも職員室?じゃあ一緒にいこっ!」
そして2人は廊下を並んで歩き出した。
コンコンッ
「失礼しまーす。」
そう言い、職員室へ入る。
ラビは生徒会担当の教師の所へ行ったが、の目的とする教師もそこにいた。
「先生、お話ってなんでしょうか?」
「あ、か。アメリカに3月までいたと聞いたんだが……」
「あ、はい。居ましたが……なにか?」
は教師の言いたいことがわからず、頭にハテナを浮かばせている。
「小学校からアメリカじゃ、日本史や政治経済が全くわからないだろ?」
「先生鋭いですね……一応、最初から教科書読んだりしてるんですけど、テストは壊滅状態間違いなしです……」
「やっぱりな……編入試験は国・数・英だけだったからなぁ……俺が気付くのが遅かったんだ。すまん!」
教師はそう言い、に頭を下げた。
「え、先生!?頭あげてくださいっ!」
「本当、教師失格だなぁこりゃ……3ヶ月経って気づくとはな……
とりあえず!赤点は免れてほしいわけだ。
俺が放課後に授業してやりたいとこなんだが、委員会とかで予定詰まっちまってんだよ……
誰か代わりに……って良いのがいるじゃんか。」
教師がそう言い、瞳が向いている方には、生徒会担当の教師と話すラビがいた。
すると話が終わったのか、ラビは教師に礼をして振り返った。
「あれ、先生なんか用事さ?」
視線に気付いたラビが教師に話しかける。
「ラビ、お前、に日本史と政治経済を教えてやってくれ!頼む!」
「え、に?」
「は小学校から今まで日本に居なかったから日本史なんて全くわからないんだ。
俺が気付いてやるの遅くてな……この通りだ!頼む!」
必死にお願いする教師にラビは……
「わかったさ。、教えるさ。」
「流石だな!じゃ、よろしく頼んだ!もしっかり教えてもらえよ!」
「あ、はい……」
日本史と政治経済をラビが教えることに決まり、2人は職員室を出て行った。
「ラビ、ごめんね?」
廊下を歩きながら話す2人。
「なんで謝るんさ?俺も復習になるし!は気にしなくていいんさ。
それより、日本に居なかったって……どこにいたんさ?」
「えと、アメリカ。」
の『アメリカ』という発言に驚きを隠せないラビ。
「そ、そうなんさ〜……」
(やっぱりがあの子なのか?)
廊下を歩きながらそう思うラビ。
があの子かもしれないという予想が、現実へと一歩ずつ変わってきているのだった。
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アメリカにいた事がやっと発覚しましたヾ(´∀`*)ノ
2010.8.7 Maya