キラキラとオレンジ色が街に反射する。
とラビは、オレンジ色に染まる住宅街を歩いていた。
「夕焼けがキラキラきれいだね〜!」
「そうさね。たまには夕焼け見るのもいいな。」
そう話しながら笑顔になったラビの髪の毛に、光が反射してとてもきれいだった。
はそれに見入ってしまった。
「どうした?俺の顔になんかついてる?」
「あ、ううん!違うの!ラビの髪の毛がキラキラしてすっごくきれいだったから……」
(なんか……安心する色……)
「そうか?俺は髪の毛の色がオレンジっていうのイヤだったんだけどな。」
「イヤだった、ってことは今は好きなの?」
「ぁあ。小さい頃に、好きになれた。ある子のおかげなんさ。」
「そうなんだ!あたしもラビのオレンジ、すっごく似合ってていいと思う!」
そう言う
の横顔も、ラビにはキレイに見えた。
(よく見ると
ってやっぱり可愛いんさね)
話をしながら歩くと
が突然止まった。目の前には家がある。
「ラビ、着いた!ここが私の家!」
はそう言うとカバンから鍵を取り出し、鍵穴へと差し込んだ。
「今開けるね、って……鍵が開いてる。お母さん帰ってきたのかな?」
ドアを引く。玄関を見るとお母さんの靴があった。
「ただいま〜!あ、お母さん帰ってきてたんだ。ラビ、あがっていいよ!」
ラビにそう言うと、
は奥の部屋へ消えていった。
「お母さん、友達連れてきたよ!」
は奥の部屋へ入るとそう言った。母親も今さっき帰宅したらしく、買ってきたものを冷蔵庫へしまっている最中だ。
「おかえり。私も今さっき帰ってきたのよ。で、
。お友達は?」
「玄関でにいるよ。呼んでくるね!」
そう言い、リビングのドアを開けて立ったまま待っていたラビを呼んだ。
「ラビ〜!こっちきて〜!」
ドアから顔を出して呼ぶ
に気付き、ラビは奥の部屋へ向かった。
部屋へ入ると
の母親だと思われる女性が立っていた。
「お母さん、友達のラビだよ!生徒会で一緒なの。」
「えと、初めまして。クラスも生徒会も一緒のラビです。」
ラビを見た母親は驚いた顔をしたが、すぐに口を開いた。
「あら、男の子だったの!?てっきり女の子かと思ってたわ。
でも……カッコいいわね!ラビ君、ご飯も食べて行きなさい?」
母親はラビの容姿が気に入ったらしい。
「ラビ、食べて帰る?」
「いいんさ!?喜んで!」
「よかったわ。じゃ、ご飯できるまで2人はちゃんと勉強しなさいね。
、お茶入れたら持って行ってあげるから部屋に行ってなさい?」
「ありがとう!」
そう言うと
は先にリビングを出て行ってしまった。
の後を追おう、そう思ったラビがリビングのドアに手をかけた瞬間。
「ラビ君、待って。」
の母親に呼び止められた。
「あ、はい。なんですか?」
「あなた……昔に―――――………」
「え………」
ラビは
の母親の言葉に固まった。
そのとき……
「ラビ〜?数学教えて〜!」
がそう言いながらドアを開け、ドアがラビに激突した。
ガンッ!
「いってぇ!」
「え、ラビ!?ごめん!」
「だ、大丈夫さ〜……それより数学教えなきゃだな。」
「うん!お母さん、お茶よろしく!」
そう言うと、
とラビは2階にある部屋へと向かった。
の家で勉強をして、夕飯までご馳走になったラビは帰宅していた。
帰宅してからすぐにお風呂を済ませベッドに入っていたが、の母親の一言が気になり眠れずにいる。
――――「ラビ君、あなたは昔この町にいた、あのラビ君よね?」―――
なぜ自分を知っているのか。
確かに昔、この町にいた。小学校に上がるまでの、本当に直前まで。
(もしかしたら……が……?)
あの子の名前は思い出せないが、雰囲気などは確かにあの子にそっくりだ。
考えても仕方ない、明日さりげなくに聞いてみよう、そう決めたラビはゆっくりと目を閉じた。
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めっっっっちゃ久々すぎる更新ですみませんorz
2010.02.20
2010.8.6 修正 Maya