は昔、今いる街に住んでいた。それは
が小学校にあがる少し前までのこと。
は生まれてから引っ越すまでの間にこの街である少年に出会った。
少年と出会ったのはが四歳の時。
周りの家はと同い年の子供がおらず、友達は幼稚園の子だけで少なかった。
だから友達が欲しかった。
周りに同い年の子供がいないとはわかっていても、近くの公園まで足を運ぶ。それが日課。
そしていつも通りは公園へ向かう。
公園に着くとまず行く場所がある。それはがお気に入りのブランコだ。
そのブランコ。いつもは誰もおらず、淋しそうにを待っている。
だが・・・今日は違う。よりも先に先客がいた。
同い年くらいの少年。下を向いて、少しだけブランコを動かしている。
嬉しかった。いつもいない公園に着くと同い年くらいの少年がいる。友達になりたい、すぐにそう思った。
「あ、あの・・・」
声をかけると肩がビクッとなって下を向いていた顔が上がる。少年はビックリしたみたいだ。
「・・・・・・」
少年はを見つめたまま何も言わない。
「あ、あのね!あたしっていうの!もしよかったらお友達になって!」
「・・・ハハッ!」
「えっ!?な、なんでわらうのぉ!?」
「だって・・・ハハッ!俺は今日ココにひっこしして来たんさ。よろしくな、。」
少年は嬉しそうに笑った。
少年の第一印象はオレンジ色の髪の毛。すごく目立つ。でも、キレイ・・・はそう思った。
それからと少年はよく遊ぶようになった。
と少年は同い年。家も近かった。
そして少年と出会ってから一年と少しが過ぎたとき。
にも少年にも、思いもよらないことが起こった。
「えっ?おひっこし?
、おひっこししなくちゃいけないの!?」
「ぇえ。、仲のいいお友達いたわよね。本当にごめんなさい。パパに着いていかなくちゃママ達、生活できないのよ・・・」
「ママ、やだよぉ!」
「が高校生くらいになったらまたこの街に戻ってくるわ。そしたらその子にもまた会えるわよ?」
「本当?」
「ぇえ。」
「うん・・・わかった・・・」
そう。は引っ越しをすることになってしまい・・・
「どういうことさっ!?俺はこの街が好きなんさ!離れたくない!」
「仕方なかろう?お前が中学に上がる頃、こっちにもう一度戻ってくる。それまで我慢せい。」
「そんなっ・・・
っ・・・」
少年も引っ越しをすることになってしまったのだった。
そしてその日、は少年に会うためにいつもの公園へ。
「あっ!いた!」
少年はと初めて出会ったときのようにブランコに乗っていた。
悲しそうにしていたのが
にも伝わる。
「どうしたの?」
「・・・俺・・・もうと遊べなくなっちまう・・・ひっこしするんさ・・・うっ・・・」
「えっ・・・あ、あのね・・・あたしもひっこしするの・・・アメリカってとこ・・・
でも、泣かないで?あたし絶対にまた戻ってくるから!ラビも戻ってきて?」
「も?・・・俺も・・・俺も戻ってくる!に会いに戻ってくるさ!」
「うん!約束!それと笑っててね?あたし、笑った顔がすき。あたしも笑ってるから!」
「わかった。も笑えよ?俺もが笑った顔すきさ!」
「「約束!」」
こうしてと少年は同じ日に引っ越しをしたのだった。
それからもう十年以上。少年はのことを覚えているのだろうか・・・
「へぇ・・・なんかロマンチックな話ね。」
の話を聞いたリナリーが少し目を輝かせて言った。
「そうかなぁ?でも、名前覚えてないんだよね〜・・・どうやって呼んでたかなぁ・・・」
「そのうち思い出すわよ。でも・・・その男の子、髪の毛の色が特徴ね。オレンジ・・・ラビだったり?」
「ハハッ!それはないよ〜?たぶん・・・とりあえず、いつか会えたらいいな。」
「そうね。私も協力するわ。じゃあ、仕事も一段落したし帰りましょう。」
「うん!」
私は約束を果たしたいです。あなたは覚えてますか?
いつか・・・あなたと会える日が来ますように・・・
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過去話!ラビの名前出てますがさんは覚えてないのですよ。
070829 Maya