「うっ・・・ヒック・・・」

「泣かないで?あたし、笑ってる顔の方が好き!」

そう言って少女はオレンジ色の少年の頭を優しくなでた。

「俺、笑ってる顔の方がいいの?」

頭をなでられながら少年は顔をあげて少女を見る。

「もちろん!」

「なら・・・俺、笑顔でいられるように頑張るさ!」

少年は少女の目を見ながらそう言った。






*







「フフッ・・・やったわ・・・これでも生徒会メンバーよ!」

廊下に貼りだされている一枚の紙を見てリナリーが言った。

以外で副会長になれる人いませんでしたよね。」

「あとの子はみんな、あんたたちと仲良くするために立候補したって感じだったわ。」

が元生徒会長っていうので、全校生徒がに一票入れたんさ。」

「・・・が適任だったからな。」

生徒会メンバーが紙を見て一言ずつ言っている中、はそれを静かに聞いていた。


生徒会、頑張らないと!


正確には、聞いていたというよりも考え事をしていたのだった。





*




「・・・終わった〜!」

はそう言って生徒会資料をバンッと置き、机にうなだれた。

お疲れさま。っていうかすごいわね・・・」

リナリーはがやり終えた資料を見ながらそう言った。

「え?何が?」

「だって・・・これ、三日かかる予定だった資料よ!?それにしてもすごいわ。
生徒会に二人も早く仕上げられる人がいるなんて・・・」

「・・・二人?」

はわからない、と言った顔をしながらリナリーを見た。

とラビよ。本当に早い。助かるわ!」

そう言いながらリナリーは今座っている席を離れ、の隣に座る。

「そう言ってもらえて嬉しいよ?ありがと、リナリー。」

笑顔でリナリーにそう言う。本人は気付いていないが、その笑顔はとても可愛い。

「ねぇ、は好きな人いなかったの?」

リナリーの突然の質問に目を見開く。いきなりすぎて言葉が詰まってもいる。

「好きな人・・・か。」

「そうそう!好きな人いないの?」

リナリーは目を光らせてを見つめる。

「好きな人・・・いるよ。」

の発言に驚きを隠せないリナリー。え?という顔のまま硬直している。

「いるの!?好きな人!?」

「え、うん・・・」

「誰っ!?に好かれてるヤツは一体どこのどいつよ!?」

リナリーはかなりの興奮状態。親友(大好きな)に好きな人がいると聞いてやばくなっているのだ。

「それが・・・名前、知らない。しかもずっと私の片思いだよ?」

そう、名前を知らない。知っているのは・・・

が片思い!?なんで!?どうして!?」

「話すと長くなるよ?それでもいい?」

「もちろん。話して?」

リナリーがそう言った後、は片思いの相手の事を話しだした。



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やっと過去話突入〜
2007.8.28 Maya