桜が咲き、舞う季節。そんな季節に俺は君に出会ったんだ。




「緊張するなぁ・・・」

教室のドアの前で一人の女子生徒がそう言った。彼女は今日、この学校に転入してきただ。

「大丈夫よ?落ち着いて深呼吸してみなさい?」

教室のドアの前で教師に言われたとおりに深呼吸をする。

うん、もう大丈夫。

落ち着いた、ということを目配せで知らせると、教師は頷いてドアを開けた。教師に続いても教室に入る。

生徒の視線はに向いていた。と同時に小声で話すのが聞こえる。

「みんな、始業式お疲れ様。私からの話は一つ。
事情があって始業式には間に合わなかったけど、転入してきた人がいます。 紹介するわ。さんよ。」

教師はそう言うとに自己紹介をするようにと小声で言った。

「あ、はい。えと・・・今日、転入してきたです。
まだわからないことがたくさんあります。なので、この学校の事をいっぱい教えてください。これからよろしくお願いします。」

が自己紹介を終えると大きな拍手が巻き起こった。

そんな中1人、誰かが手を挙げている。

「・・・ラビ君どうしたの?」

髪の毛の色はオレンジ。名前はラビというらしい。

「・・・名前を黒板に書いてほしいさぁ。」

「えっ・・・?」

「またですかラビ・・・さん、黒板に書いてあげてください。僕も知りたいですしね。」

白髪の男子生徒はそう言うとニッコリと笑ってみせた。

そしてそう言われたは黒板に名前を書いていく。

「うわ〜!字、うま〜い!」

そんな声がちらほら聞こえてくる。

カツ・・・


チョークを置く音が教室に響いた。

「こうやって書きます。これからよろしくお願いします。」

「ありがとう。じゃあさんの席は・・・あそこね。」

は教師が指した方を見てみる。そこにはさっきのオレンジ頭と白髪の男子生徒がいた。
席へ移動する。
左隣の席には黒髪のツインテールの女子生徒、右隣の席にはさっきのオレンジ頭、ラビがいた。
また、の席の前に白髪の男子生徒、後ろには黒髪のポニーテールの・・・がいる。

「よろしくお願いしますね。」

「え?」

「よろしくさぁ。」

「よろしくね、。」

「・・・チッ。」

「・・・(舌打ちっ!?)うん。」

「じゃあSHRはここまで。 えっと・・・さんのまわりにいる4人はさんに学校を案内して。 他のみんなはやることがあるから教室にいてね?
さんに質問をしたい人は後で。じゃあ4人、お願いね。」

そう言うと教師は教室から出ていった。

ガタッ・・・


「じゃあ。この学校を案内するわ。着いてきてね♪」

ツインテールの女子生徒はそう言うと教室を出た。
それに続いて他の3人も席を立ち、は4人について行った。



*


教室を出てからすぐ、ツインテールの女子生徒が口を開いた。

「じゃあまずは自己紹介ね。私はリナリー・リー。リナリーでいいわよ♪」

ツインテールの女子生徒はリナリー。とても可愛い。

「じゃあ次は僕ですね。僕はアレン・ウォーカー。アレンでいいです。これからよろしくお願いしますね♪」

白髪の男子生徒はアレン。なぜか敬語だ。

「次は俺さ。俺はラビ。ラビでいいからな。よろしくな。」

さっきのオレンジ頭、ラビ。もう先程のことで名前を覚えた。

「・・・チッ。」

ポニーテールの・・・は舌打ちをした。

「ユウ、自己紹介くらいするさ。」

「・・・めんどくせェな。神田だ。神田でいい。」

ポニーテールの・・・は神田というらしい。

だがには気になることが・・・

「うん、わかった。私はでいいからね。それで・・・神田ってさ・・・どっち・・・?」

の問いにみんなして首を傾げる。
そして、少し意味がわかったらしいリナリーがに聞いた。

「・・・それってもしかして神田の性別のこと?」

「あ、うん。」

「「「・・・・・・プッ。」」」

神田と以外のメンバーが口を押さえながら下を向いている。そして・・・

「キャハハ!最高!」

「本当ですねっ!僕、笑い死にそうです!アハハッ!」

っ・・・ユウはこれでも・・・っ男なんさぁっ・・・腹痛ぇ!」

「・・・男なの!?」

「そうなんです。神田はこれでも男なんですっ・・・アハハッ!」

みんなして笑いだしている。笑いは止まりそうにない。

「おいテメェら・・・切り刻むぞ・・・」

神田の眉間には皺がよっていて、こめかみには怒りマークが・・・

「だって・・・男の割りにはキレイすぎるじゃん!」

はそう言った。

「ま、まぁな。ユウは確かにキレイさね。でも男なんさぁ。モテモテだし♪」

ラビがにそう言うと神田と以外が頷く。

「この3人はモテモテな奴らなのよ♪もコレはモテるわね。」

リナリーの最後の言葉に以外が頷く。 「私はモテるわけないよ、リナリー。彼氏いたことないもん。」

「って事はやっぱりはモテるのよ!
高嶺の花!まぁ、明日になればわかるんじゃないかしら。じゃあ学校を案内!行くわよっ!」

そう言いながらリナリーはの手をつかみ歩きだした。

・・・どっかで聞いたことがある名前なんだよな・・・」

ラビが小さく、誰にも聞こえない声でそう言う。


「ほら、ラビ行きますよ!」

「ぁあ。行くさ。」

そう言ってラビも歩きだした。



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ラビ連載!
この連載もよろしくお願いします〜!
2007.8.25  Maya